毎日新聞の変な記事

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◆毎日新聞にいい加減な記事が掲載されました。昨日(2009年2月7日)社会面に「『関西一の女相場師』逮捕」の見出しで大阪府警泉佐野署が出資法違反の容疑で54歳の女を逮捕した記事がそれです。女は関西一の女相場師との触れ込みのもと株式投資などで高配当を約束して、150人以上から15億円以上の金を集めたもののほとんどが返還されず府警は詐欺容疑でも追及していくという内容です。インチキ女の口車に乗せられた欲深な人たちが億単位の金を巻き上げられたという、よくありがちな事件というわけです。

◆問題はここからです。関連記事の見出しは「着物たくさん所持 逮捕時の所持金は30万円」。女の素性とだましの手口を明らかにしている記事のつもりですが、これが杜撰きわまる取材と内容でまったく的を射ていません。見出しに「着物たくさん」とあるので、億単位の金のほとんどが豪奢な着物に化けたのかと思いきや記事冒頭に「容疑者の親類によると、たくさんの着物を持っていた」との一文だけ。逮捕までのいきさつや金を渡した自営業男性のコメントなどが書かれていて、冒頭以外いっさい着物のことなど言及していません。

◆問題は2つあります。ひとつは容疑者の背景説明になぜ「着物」を引きあいに出したのか。しかも中身もないのに見出しに使ったのかということです。多くの読者は、容疑者が着物に散財したとの印象を受けたはずです。あぶく銭は着物で消えた、着物は詐取した金の受け皿で容疑者と共犯のようなもの。「着物≒悪者」の図式を無理やり描き出そうとした点です。ある品目を取り上げ、犯罪といかにも連関性があるかのようなとらえ方はあまりにも紋切り型ではないでしょうか。これが「覚せい剤に消えた」「男に貢いでいた」となれば容疑者の反社会性が鮮明に浮き出てくるのでしょうが、「着物をたくさん持っていた」ではあまりにも的外れで不完全燃焼です。着物は濡れ衣意外なにものでもありません。

◆2つ目は、では百歩譲ってこの見出しを認めましょう。実際に容疑者が異様なくらい着物好きで金があれば次々と新しい訪問着や希少な織物を買いあさっていたことが事実だとします。親類はそのことを証言していたとすれば、記事中で具体的にどのような種類の着物に散財したかをきちんと書くべきです。品目の特定が出来ないなら「有名作家の特注品」とか「幻の織物」をタンス10棹にしまい込んでいた――くらいのことは書いて欲しかったのです。「着物たくさん」では、容疑者の異常性も着物偏愛性もさっぱり浮かび上がりません。

◆こんな抽象的で、裏づけのない甘い取材の記事を通したデスクもデスクです。他紙に比べてページ数も少なく、紙質もイマイチな毎日新聞は大丈夫でしょうか。かつて毎朝読と並び称されていた頃もありました。しっかりした記事を書いて下さい。来るスクープに期待しています。  

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